ERTトレーニングセンター株式会社

株式会社 三五 様受講:ERT8時間体験コース

  • 1.ERT8時間体験コースに参加して感じたこと

     指示命令系統が機能しなければ救える命も救えないことを体感し、情報収集や分析を迅速かつ正確に伝達する重要性を改めて学びました。無線機一つとっても十分に使いこなせていないことに気づき、また救助活動における声掛けの内容が大きな意味を持つことも実感しました。市民トリアージや応急手当なども有意義であり、日頃から意識して取り組む必要性を感じました。
     一方で、重症者を優先すべきと理解していたにもかかわらず、訓練では声を上げる中等症の方を先に搬送してしまうなど、座学と実技の間には大きな差があることを痛感しました。また、救助班として活動する中で「早く救助しなければ」という焦りからバディと離れそうになる場面もあり、バディシステムを守る難しさを身をもって経験しました。費用をかけずに大きな効果を発揮する仕組みであることを理解し、その重要性を再認識することができました。
     さらに、負傷者役を経験した際には、応急手当後に長時間救助を待つこととなり、重症者が声を出せない状況を想定すると、ライトなどで自らの位置を示す工夫の必要性を強く感じました。有事にはパニックで何もできなくなるかもしれませんが、今回の体験を通じて得た学びを一つでも二つでも実践に活かし、災害救助に貢献していきたいと思います。

  • 2.今後の企業防災への取り組み

     今回の体験を通じ、ゾーニングやバディシステム、市民トリアージなど初めて学んだ仕組みの有効性を強く感じました。これらを自職場の防災訓練にも少しずつ取り入れ、繰り返し実施することで頭で考えるよりも先に行動できる力を養っていきたいと考えています。少人数からでも継続して体得し、仲間を増やすことで緊張感を伴った実効性のある訓練につなげていきたいと思います。
     また、自衛消防組織においては救護班のみを設定してきましたが、現場指揮所・救助班・救護班の3班体制を整えることの重要性を学びました。今後は関係者への周知を行い社内に体制を導入するとともに、建屋ごとにゾーニングを明確化して活動しやすい環境を整備していきます。さらに、実技で得られる知識を活かし、各工場のキーパーソンにERTトレーニングを受講してもらうことで、有事の際に迅速な救命活動を担える人材を育成していきたいと考えています。

活動実績Activity Report

※アンケートご掲載承認順

ERTトレーニングセンターでは、発災から72時間に特化した、
企業向けの人命救助訓練を提供しています。

全世界で展開している3M社で行っていたERT活動を引き継ぎ、東京大学生産技術研究所附属 東京大学災害対策トレーニングセンターの沼田准教授監修の下、救命救急医、災害精神医学、看護師、消防士、元自衛官、弁護士、石綿の専門家などの協力により構成された、災害対応の訓練プログラムを展開しています。

沼田宗純先生

沼田 宗純  准教授


東京大学 生産技術研究所 附属
災害対策トレーニングセンター

片岡克己講師

片岡 克己  講師


ERTトレーニングセンター
センター長